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岐阜地方裁判所 昭和54年(わ)46号 判決

本籍・住居

岐阜県大垣市本今一丁目七七番地

医師

箭田正輝

昭和四年二月八日生

被告事件名

所得税法違反

出席検察官

宇野博

主文

被告人を懲役一年及び罰金三、〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、岐阜県大垣市本今一丁目七七番地において「箭田産婦人科医院」の名称で産婦人科医を営んでいるものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

一  昭和五〇年分の所得金額が七一、三八一、七七一円でこれに対する所得税額が三七、六四九、二〇〇円であるのに、健康保険適用外の診療収入などの一部を除外する等の行為により右所得金額中五二、九三八、五五一円を秘匿したうえ、昭和五一年三月一五日、同市丸の内二丁目三〇番地所在の大垣税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が一八、四四三、二二〇円で、これに対する所得税額が四、六〇七、三〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により所得税三三、〇四一、九〇〇円を免れ、

二  昭和五一年分の所得税額が九五、四一九、三〇九円でこれに対する所得税額が五四、九八〇、四〇〇円であるのに、前同様の行為により右所得金額中七一、八七〇、八六二円を秘匿したうえ、昭和五二年三月一五日、前記大垣税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が二三、五四八、四四七円で、これに対する所得税額が七、〇七九、六〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により所得税四七、九〇〇、八〇〇円を免れ、

三  昭和五二年分の所得金額が九七、六四六、七八四円でこれに対する所得税額が五六、四六五、一〇〇円であるのに、前同様の行為により右所得金額中八一、〇六五、二四九円を秘匿したうえ、昭和五三年三月一五日、前記大垣税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が一六、五八一、五三五円で、これに対する所得税額が三、三一六、四〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により所得税五三、一四八、七〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

被告人の当公判廷における供述のほか、検察官請求の証拠等関係カード記載の番号1ないし30の証拠と同一であるからこれを引用する。

(法令の適用)

一  罰条

各事実につき所得税法二三八条一項、二項

一  併合罪加重

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(懲役刑については最も犯情の重い判示三の罪の刑に加重する)

四八条二項

一  労役場留置

同法一八条

一  懲役刑の執行猶予

同法二五条一項

(裁判官 小林克美)

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